豚肉の栄養を効率よく摂取!不足するとどうなる?部位別おすすめ調理法

豚肉の栄養の中で、もっとも優秀なのが「ビタミンB1」の含有量。疲労回復や、夏バテ解消などでよく知られている栄養素です。
ほかにも、たんぱく質・脂質などいろんな栄養が豊富!私たちの健康をサポートしてくれていますが、不足するとさまざまな体調不良を引き起こすおそれがあります。
ここでは、
「豚肉ってどんな栄養が含まれているの?」
「その栄養が不足するとどうなる?」
「上手に栄養を摂るには?」
と気になるあなたへ、豚肉に含まれる栄養と不足したときにはどんな影響があるのかをご紹介。栄養を効率よく摂取する方法を参考にしながら、無理なく摂取していきましょう!
豚肉の栄養は豊富で優秀

お肉は身体に欠かせない栄養の源
人が生きていく上で欠かせない栄養素には、体内では作れないものがたくさんあります。そのうちの1つが「たんぱく質」で、約30分の1が毎日入れ替わっています。この代謝に必要なアミノ酸は20種類。そのうち9種類の「必須アミノ酸」は体内で合成できません。
食肉のたんぱく質には、必須アミノ酸が豊富かつバランスよく含まれています。消化吸収に優れているので、積極的に摂取すると生体内の機能や健康の維持に大きく役立ちます。
※参照元:健康・長寿のためのお肉の新常識|全国食肉事業協同組合連合会(2024年12月時点)
豚肉は疲労回復に効くビタミンB1が豊富
食肉の中で、豚肉には「ビタミンB1の宝庫」といわれるほどたくさん含まれています。ビタミンB1は、体内で糖質をエネルギーに変える際に必要な栄養素。疲労回復やスタミナ作りに役立ちます。
もっとも含有量の多い部位は「ヒレ」で、100gにつき1.22mg。ビタミンB1の1日あたりの摂取目安を見てみると、100g摂取するだけで1日の推奨量(18歳以上の成人男性:1.1mg)がクリアできます。
ビタミンB1を多く含む食品でも、「豚肉」は全体を占める割合が高く、ほかの食肉(鶏肉・牛肉)を大きく上回ります。
※参照元:日本人の食事摂取基準(2025年版)|厚生労働省(2024年12月時点)
ビタミンB1の多い食品Top20
【食品名/成分量:100g/mg】
パン酵母(乾燥)/8.81 | 米ぬか/3.12 |
パン酵母(圧搾)/2.21 | 大型豚ヒレ(赤肉、焼き)/2.09 |
小麦はいが/1.82 | ひまわり(フライ、味付け)/1.72 |
けし(乾)/1.61 | 即席中華めん/1.46 |
大型豚ヒレ(赤肉、生)/1.32 | ごま(むき)/1.25 |
まいたけ(乾)/1.24 | 中型豚ヒレ(赤肉、生)/1.22 |
あまのり(ほしのり)/1.21 | 大型豚もも(皮下脂肪なし、焼き)/1.19 |
大型豚ヒレ(赤肉、とんかつ)/1.09 | 中型豚もも(赤肉、生)/1.01 |
中型豚もも(皮下脂肪なし、生)/0.98 | チアシード(乾)/0.97 |
中型豚ロース(赤肉、生)/0.96 | 大型豚もも(赤肉、生)0.96 |
※100gあたり
豚肉の主な栄養効果と不足時のデメリット

豊富な豚肉の栄養には、どんな特徴や効果があるのかを見ていきましょう!不足したときの身体の変化も要チェックです。
ビタミンB1のはたらき
糖質をエネルギーに変えるときに必要な成分。米を主食とする日本人にとっては欠かせない存在です。
ビタミンB1はほかの野菜からも摂れますが、とても水に溶けやすいので水にさらすと逃げてしまいます。一方、豚肉は洗わなくても良いので効率的。特に、ヒレ・ももに多く含まれています。
- 疲労回復
- スタミナをつくる
不足するとこうなる
ビタミンB1が不足すると、糖質がエネルギーに変換されにくくなります。
そのため、ご飯やパンを食べてもエネルギーにならず、体が疲れやすくなったり、糖質のとり過ぎで食後高血糖や肥満などになったり。また、脳がブドウ糖を分解してエネルギーに変える力も足りず、記憶力の低下・情緒不安定・うつ病などを引き起こすおそれがあります。
たんぱく質のはたらき
人間の身体を動かすエネルギーの源。三大栄養素のひとつで、筋肉・臓器・皮膚・毛髪などの構成成分です。
豚肉のたんぱく質は、必須アミノ酸9種類をバランスよく含み、吸収効率も優秀。豚肉消費量が1番多い沖縄県は元気な長寿者が多く、病気を防ぐ効果もあるといわれています。特に、ヒレ・ももに多く含まれています。
- 身体を動かす
- 免疫力を高める
不足するとこうなる
たんぱく質が不足すると、免疫力の低下や体力の衰えで病気にかかりやすくなります。
また、ストレスが原因で一時的にエネルギーを多く消費するときも、たんぱく質が源。本来、脳や筋肉などではたらくはずの栄養が失われるため、たんぱく質不足でストレスがかかると心身ともに衰弱してしまいます。
脂質のはたらき
三大栄養素のなかで1gあたり9キロカロリーと、もっともエネルギーの高い成分。不飽和脂肪酸(オレイン酸)や飽和脂肪酸(ステアリン酸)があり、ホルモン・細胞膜・核膜を構成したり皮下脂肪を蓄えて臓器を保護したりします。
また、脂溶性ビタミン(ビタミンA・D・E・K)の吸収をサポート。部位はヒレが少なく、バラ・ロースに多く含まれています。
- 肌の保湿
- 便秘の解消
- 悪玉コレステロールの減少
- 脂溶性ビタミンの吸収を促す
不足するとこうなる
脂質が不足すると、エネルギーが足りず疲れやすくなったり免疫力が低下したり。脂質とともに吸収される脂溶性ビタミンも吸収されにくいので、ビタミン欠乏になるリスクもあります。
反対に、肥満の原因ともいわれる脂質はとり過ぎにも注意が必要。バラ肉の角煮やチャーシューなどは脂肪がとても多いので、食べすぎに気をつけましょう。ダイエットを心がけている人は、赤身の多いヒレがおすすめです。
ビタミンB6のはたらき
水に溶ける水溶性ビタミンのひとつ。腸内細菌によって体内でもつくれる成分です。ビタミンB6は酵素のはたらきをサポートする補酵素で、エネルギーをつくったり臓器を機能させたりするために役立ちます。豚肉では、特にヒレに多く含まれています。
- 免疫機能、皮膚粘膜の健康を維持
- 心を落ち着かせる
不足するとこうなる
ビタミンB6が不足すると、湿疹・皮ふ炎・口内炎・貧血などのほか、うつや脳波異常など神経系に異常が起こるおそれがあります。水に溶けるので一般的には不足しにくいのですが、抗生物質を長期間投与している人や月経前症候群の人は不足しがちだといわれています。
豚肉の栄養を効率よく摂取しよう
健康維持に役立つ必須アミノ酸がバランスよく含まれており、特に「ビタミンB1」の量が大きな魅力の豚肉。せっかくの豚肉の栄養をムダにしないためにも、効率よく摂取しましょう!
方法はこちら。
- 1日あたり60〜80gを目安にする
- 茹で汁を残さず活用する
- 豚肉の脂で加熱調理をする
- 相性の良い食材と一緒に摂る
- やわらかく飲み込みやすい形にする
1つずつ詳しくお伝えしますね。
1日あたり60〜80gを目安にする
豚肉の1日あたりの摂取目安は、60〜80g。家族4人だと、豚肉のパックを買うときは240〜320gがベストです。
80gなんて少ない!と思うかもしれませんが、毎日豚肉を摂取したときの目安なのでご安心ください。1日に160gくらい食べてしまったら、翌日はカロリーや脂質の摂りすぎが抑えられる食材を食べればOK。豚肉同様に、豆腐・卵・魚などのたんぱく質を多く含んだものがおすすめです。
茹で汁を残さず活用する

ビタミンB1は、水に溶け出しやすい栄養素。茹で豚や豚しゃぶなどを調理したときの茹で汁には、ビタミンB1が流れ出ています。なるべく余さず、ほかのメニューを作って摂取しましょう!
例えば、卵スープ・わかめスープ・中華スープ・味噌を加えた豚汁など。1度沸騰させてアクを取り、具材や調味料を加えたらビタミンB1入りの汁物が完成です。
豚肉の脂で加熱調理をする
豚肉を火にかけて調理するときは、できるだけ豚肉そのものの脂を有効活用しましょう!
調理油に含まれる不飽和脂肪酸は、エネルギーになりやすく中性脂肪やコレステロールなどが増えにくいのがメリットです。一方で、酸化しやすいのがデメリット。料理の風味を損なったり、食中毒や動脈硬化などの原因になると言われています。
豚肉の脂に含まれるのは飽和脂肪酸なので、酸化しにくくとても効率のよいエネルギー源!体内で皮下脂肪や内臓脂肪として蓄積しやすいので、十分にエネルギーが摂れないときに脂肪を変換して健康を保とうとしてくれます。
相性の良い食材と一緒に摂る
豚肉は、豊富なタンパク質やビタミンB1がよりうまく吸収できるものと一緒に食べましょう。
例えば、動物性と植物性の両方のたんぱく質(ダブルたんぱく)が同時に摂取できるメニュー。筋肉の合成を活性化させ、分解を抑制するはたらきがあるので筋力アップ効果が期待できます。
豆腐・ひじき・豚ひき肉を合わせたハンバーグや、大豆ミートと豚ひき肉と合わせた肉だんごなどがありますよ。
ほかにも、レモンやピーマンなどに多く含まれるビタミンCと一緒に摂れば美肌効果がアップ。玉ねぎや梅干しなどに多く含まれるアリシンやクエン酸を一緒に摂れば、エネルギーの代謝がアップして疲労回復効果が期待できます。
1つのメニューとしてだけじゃなく、飲み物やデザートとして摂取するのもおすすめです。
やわらかく飲み込みやすい形にする
ブロック肉やロース肉は、歯が生え変わる頃の子どもや筋力が低下しがちな高齢者には避けられがちかもしれません。そんなときは豚肉をやわらかくする調理方法で、咀嚼しやすく飲み込みやすいメニューを作りましょう!
例えば、筋繊維をほぐすために豚肉を叩いて筋切りとしたり、たんぱく質の収縮と肉汁の蒸発を抑えるために片栗粉をまぶしたり。65℃以上の長時間加熱を避けると、肉汁が逃げにくくなります。

【部位別】豚肉の栄養が効率よく摂れるおすすめ調理法
相性の良い食材が豊富な美味しい豚肉。焼く・煮る・蒸すなど、部位によって向き不向きな調理方法があります。栄養の含有量もちがうので、上手に摂取するには各部位の特徴も知っておくとGOOD!栄養の一部と、おすすめの調理法を紹介しますね。
かた
100gあたり | |
エネルギー | 224kcal |
ビタミンB1 | 0.70mg |
たんぱく質 | 18.3g |
脂質 | 17.2g |
ビタミンB6 | 0.30mg |
※中型種肉/脂身つき/生
よく動かす部位なので、筋肉質。脂肪が少なく肉のキメがやや荒いです。少し硬めですが、しっかりとした旨みがあるのが特徴。長時間煮込むと味が出やすく、コラーゲンがゼラチン化してやわらかくなるので、シチューやポトフなどにおすすめです。
- 焼く
- 煮る
- 炒める
かたロース
100gあたり | |
エネルギー | 241kcal |
ビタミンB1 | 0.70mg |
たんぱく質 | 17.7g |
脂質 | 19.3g |
ビタミンB6 | 0.33mg |
※中型種肉/脂身つき/生
赤身の中に脂質が網目状に広がり、ふつうのロースより脂身が多め。豚肉本来のコクのある濃厚な味わいが楽しめます。料理は、とんかつ・生姜焼き・カレーなど和洋中幅広く使いやすい部位。下ごしらえで筋切りをすると焼き縮みが防げます。
- 焼く
- 煮る
- 揚げる
- 炒める
ロース
100gあたり | |
エネルギー | 275kcal |
ビタミンB1 | 0.77mg |
たんぱく質 | 18.3g |
脂質 | 22.6g |
ビタミンB6 | 0.35mg |
※中型種肉/脂身つき/生
赤身と脂肪の割合がちょうどよく、やわらかさの中にしっかりとした歯ごたえがあります。うまみが強いので、しゃぶしゃぶ・とんかつ・チャーシュー・ポークソテー・ハムなどに使われます。
- 煮る
- 焼く
- 茹でる
ヒレ
100gあたり | |
エネルギー | 105kcal |
ビタミンB1 | 1.22mg |
たんぱく質 | 22.7g |
脂質 | 1.7g |
ビタミンB6 | 0.48mg |
※中型種肉/赤肉/生
もっとも脂質が少なくヘルシー。一頭あたり1kgほどしかとれない希少な部位です。キメが細かくやわらかで、ビタミンB1も豊富。ヒレカツ・串揚げなど、油を使った料理に向いています。
- 焼く
- 揚げる
ばら
100gあたり | |
エネルギー | 398kcal |
ビタミンB1 | 0.45mg |
たんぱく質 | 13.4g |
脂質 | 40.1g |
ビタミンB1 | 0.23mg |
※中型種肉/脂身つき/生
脂質が多く、濃厚でこってりとしたボリューミーな部位。胴体のあばら骨に赤身と脂肪が層になってついており、三枚肉ともいわれています。バラの骨付きがスペアリブ。焼肉・角煮・酢豚・チャーシューなど中華風の料理によく登場します。
- 煮る
- 焼く
もも
100gあたり | |
エネルギー | 211kcal |
ビタミンB1 | 0.90mg |
たんぱく質 | 19.5g |
脂質 | 15.1g |
ビタミンB1 | 0.37mg |
※中型種肉/脂身つき/生
赤身が中心で、あっさりとした味わい。高たんぱく低脂肪でビタミンB1が多く含まれています。内モモは色が淡くてやわらかめで、ローストポークやチャーシューに。外モモは色が濃く硬めで、ローストポークや角煮によく利用されます。
- 煮る
- 茹でる
豚肉の栄養を必需品にしよう!
豚肉は「ビタミンB1の宝庫」ですがほかにも私たちにメリットのある栄養がたくさん!
たとえば、
- たんぱく質
- ビタミンA
- ビタミンB2
- ビタミンE
- カリウム
- ミネラル(リン、カリウム、亜鉛など)
などがあり、体力・免疫力の低下や高血圧を防ぐ効果が期待できます。
育ち盛りのお子さんや、健康維持のために食事にも気を使っている人。今、健康的な人も含めて、みなさんにぜひ取り入れてほしい食品です。
部位ごとの栄養成分と向いている調理方法を知っておけば、豚肉を美味しく味わいつつ栄養も効率よく吸収できそうですよね!身体を疲れにくくさせ、健康を維持する栄養がたくさん含まれているので、積極的に摂取しましょう!
