豚肉豆知識

豚肉の栄養を効率よく吸収しよう!不足するとどうなる?部位別おすすめ調理法

Pork nutrition

豚肉は、ほかとくらべて「ビタミンB1」が多いお肉。疲労回復や、夏バテ解消などでよく知られている栄養素ですよね。ほかにも、たんぱく質・脂質などが豊富で、私たちの健康をサポートしてくれています。

ここでは、

ビタミンB1のほかにどんな栄養があるの?

その栄養が不足するとどうなる?

上手に栄養を摂るには?

と気になるあなたへ、豚肉に含まれる栄養、不足したときにはどんな影響があるのかをご紹介。豚肉と相性の良い食品も参考にして、無理なく効率的に摂取しましょう!

豚肉の栄養は豊富で優秀

Nutrition  

豚肉はビタミンB1が1番多い

ビタミンB1は、体内で糖質をエネルギーに変える際に必要な栄養素。豚肉には、「ビタミンB1の宝庫」といわれるほどたくさん含まれています。

もっとも含有量の多い部位は「豚ヒレ」で、100gにつき0.98mg。ビタミンB1の1日あたりの摂取目安を見てみると、成人男性(1.4mg)の場合「150g」だけでクリアできます。

男性 女性
1~17歳 0.5~1.5 0.5~1.2
18~69歳 1.4~1.3 1.1~1.0
70歳以上 1.2 0.9
妊婦・授乳婦 +0.2

※1日あたりの推奨量(mg)
※参照元:ビタミン|厚生労働省(2020年4月時点)

また、ビタミンB1を多く含む食品でも、「豚肉」は全体を占める割合が高く、ほかの食肉(鶏肉・牛肉)を大きく上回ります。

◆ビタミンB1の多い食品Top20(食品名/成分量(100g/mg))

パン酵母(乾燥)/8.81 米ぬか/3.12
パン酵母(圧搾)/2.21 大型豚ヒレ(赤肉、焼き)/2.09
小麦はいが/1.82 ひまわり(フライ、味付け)/1.72
けし(乾)/1.61 即席中華めん/1.46
大型豚ヒレ(赤肉、生)/1.32 ごま(むき)/1.25
まいたけ(乾)/1.24 中型豚ヒレ(赤肉、生)/1.22
あまのり(ほしのり)/1.21 大型豚もも(皮下脂肪なし、焼き)/1.19
大型豚ヒレ(赤肉、とんかつ)/1.09 中型豚もも(赤肉、生)/1.01
中型豚もも(皮下脂肪なし、生)/0.98 チアシード(乾)/0.97
中型豚ロース(赤肉、生)/0.96 大型豚もも(赤肉、生)0.96

※参照元:日本食品標準成分表2015年版(七訂)(2020年4月時点)

ほかにも栄養がいろいろ・・・

豚肉は、ビタミンB1のほかにも私たちにメリットのある栄養がたくさん!

たとえば、

・たんぱく質
・ビタミンA
・ビタミンB2
・ビタミンE
・カリウム
・ミネラル(リン、カリウム、亜鉛など)

などがあり、体力・免疫力の低下や高血圧を防ぐ効果が期待できます。

育ち盛りのお子さんや、健康維持のために食事にも気を使っている人。今、健康的な人も含めて、みなさんにぜひ取り入れてほしい食品です。

豚肉の主な栄養と不足時のデメリット

それぞれの栄養はどんな特長があるのかをみていきましょう。

ビタミンB1のはたらき

糖質をエネルギーに変えるときに必要な成分。米を主食とする日本人にとっては欠かせない存在です。ビタミンB1はほかの野菜からも摂れますが、とても水に溶けやすいので水にさらすと逃げてしまいます。一方、豚肉は洗わなくても良いので効率的。特に、ヒレ・ももに多く含まれています。

・疲労回復
・スタミナをつくる

不足すると・・・

ビタミンB1が不足すると、糖質がエネルギーに変換されにくくなります。

そのため、ご飯やパンを食べてもエネルギーにならず、体が疲れやすくなったり、糖質のとり過ぎで食後高血糖や肥満などになったり。また、脳がブドウ糖を分解してエネルギーに変える力も足りず、記憶力の低下・情緒不安定・うつ病などを引き起こすおそれがあります。

たんぱく質のはたらき

人間の身体を動かすエネルギーの源。三大栄養素のひとつで、筋肉・臓器・皮膚・毛髪などの構成成分です。

豚肉のたんぱく質は、必須アミノ酸9種類をバランスよく含み、吸収効率も優秀。豚肉消費量が1番多い沖縄県は元気な長寿者が多く、病気を防ぐ効果もあるといわれています。特に、ヒレ・ももに多く含まれています。

・身体を動かす
・免疫力を高める

不足すると・・・

たんぱく質が不足すると、免疫力の低下や体力の衰えで病気にかかりやすくなります。

また、ストレスが原因で一時的にエネルギーを多く消費するときも、たんぱく質が源。本来、脳や筋肉などではたらくはずの栄養が失われるため、たんぱく質不足でストレスがかかると心身ともに衰弱してしまいます。

脂質のはたらき

三大栄養素のなかで1gあたり9キロカロリーと、もっともエネルギーの高い成分。不飽和脂肪酸(オレイン酸)や飽和脂肪酸(ステアリン酸)があり、ホルモン・細胞膜・核膜を構成したり皮下脂肪を蓄えて臓器を保護したりします。また、脂溶性ビタミン(ビタミンA・D・E・K)の吸収をサポート。部位はヒレが少なく、バラ・ロースに多く含まれています。

・悪玉コレステロールの減少
・便秘の解消
・肌の保湿
・脂溶性ビタミンの吸収を促す

不足すると・・・

脂質が不足すると、エネルギーが足りず疲れやすくなったり免疫力が低下したり。脂質とともに吸収される脂溶性ビタミンも吸収されにくいので、ビタミン欠乏になるリスクもあります。

反対に、肥満の原因ともいわれる脂質はとり過ぎにも注意が必要。バラ肉の角煮やチャーシューなどは脂肪がとても多いので、食べすぎに気をつけましょう。ダイエットを心がけている人は、赤身の多いヒレがおすすめです。

脂肪分の少ないヒレはこちら|「和豚もちぶた」ヒレ

ビタミンB6のはたらき

水に溶ける水溶性ビタミンのひとつ。腸内細菌によって体内でもつくれる成分です。ビタミンB6は酵素のはたらきをサポートする補酵素で、エネルギーをつくったり臓器を機能させたりするために役立ちます。豚肉では、特にヒレに多く含まれています。

・免疫機能、皮膚粘膜の健康を維持
・心を落ち着かせる

不足すると・・・

ビタミンB6が不足すると、湿疹・皮ふ炎・口内炎・貧血などのほか、うつや脳波異常など神経系に異常が起こるおそれがあります。水に溶けるので一般的には不足しにくいのですが、抗生物質を長期間投与している人や月経前症候群の人は不足しがちだといわれています。

豚肉の栄養を上手に摂る方法~部位別おすすめ調理法~

何と合わせても美味しい豚肉。焼く・煮る・蒸すなど、部位によって向き不向きな調理方法があります。栄養の含有量もちがうので、上手に摂取するには各部位の特徴も知っておくとGOOD!栄養の一部と、おすすめの調理法を紹介しますね。

脂身つき・生(100g)
エネルギー 216キロカロリー
ビタミンB1 0.66mg
たんぱく質 18.5g
脂質 14.6g
ビタミンB6 0.32mg

よく動かす部位なので、筋肉質。脂肪が少なく肉のキメがやや荒いです。少し硬めですが、しっかりとした旨みがあるのが特徴。長時間煮込むと味が出やすく、コラーゲンがゼラチン化してやわらかくなるので、シチューやポトフなどにおすすめです。

・焼く
・煮る
・炒める

肩ロース

Shoulder loin  
脂身つき・生(100g)
エネルギー 253キロカロリー
ビタミンB1 0.63mg
たんぱく質 17.1g
脂質 19.2g
ビタミンB6 0.28mg

赤身の中に脂質が網目状に広がり、ふつうのロースより脂身が多め。豚肉本来のコクのある濃厚な味わいが楽しめます。料理は、とんかつ・生姜焼き・カレーなど和洋中幅広く使いやすい部位。下ごしらえで筋切りをすると焼き縮みが防げます。

・焼く
・煮る
・揚げる
・炒める

やわらかく筋切り不要「和豚もちぶた|肩ロース

ロース

loin
脂身つき・生(100g)
エネルギー 263キロカロリー
ビタミンB1 0.69mg
たんぱく質 19.3g
脂質 19.2g
ビタミンB6 0.32mg

赤身と脂肪の割合がちょうどよく、やわらかさの中にしっかりとした歯ごたえがあります。うまみが強いので、しゃぶしゃぶ・とんかつ・チャーシュー・ポークソテー・ハムなどに使われます。

・煮る
・焼く
・茹でる

脂と赤身の旨みが凝縮「和豚もちぶた|ロース

ヒレ

Fillet
赤肉・生(100g)
エネルギー 130キロカロリー
ビタミンB1 1.32mg
たんぱく質 22.2g
脂質 3.7g
ビタミンB6 0.54mg

もっとも脂質が少なくヘルシー。一頭あたり1kgほどしかとれない希少な部位です。キメが細かくやわらかで、ビタミンB1も豊富。ヒレカツ・串揚げなど、油を使った料理に向いています。

・焼く
・揚げる

あっさりやわらか「和豚もちぶた|ヒレ

バラ

Rose meat
脂身つき・生(100g)
エネルギー 395キロカロリー
ビタミンB1 0.51mg
たんぱく質 14.4g
脂質 35.4g
ビタミンB6 0.22mg

脂質が多く、濃厚でこってりとしたボリューミーな部位。胴体のあばら骨に赤身と脂肪が層になってついており、三枚肉ともいわれています。バラの骨付きがスペアリブ。焼肉・角煮・酢豚・チャーシューなど中華風の料理によく登場します。

・煮る
・焼く

脂の甘みがケタ違い「和豚もちぶた|バラ

モモ

Peach meat
脂身つき・生(100g)
エネルギー 183キロカロリー
ビタミンB1 0.90mg
たんぱく質 20.5g
脂質 10.2g
ビタミンB6 0.31mg

赤身が中心で、あっさりとした味わい。高たんぱく低脂肪でビタミンB1が多く含まれています。内モモは色が淡くてやわらかめで、ローストポークやチャーシューに。外モモは色が濃く硬めで、ローストポークや角煮によく利用されます。

・煮る
・茹でる

濃く、深い旨み「和豚もちぶた|モモ

豚肉の栄養を必需品に!

部位ごとの栄養成分と向いている調理方法を知っておけば、豚肉を美味しく味わいつつ栄養も効率よく吸収できそうですよね!身体を疲れにくくさせ、健康を維持する栄養がたくさん含まれているので、積極的に食事へ取り入れてほしいと思います。

「ハム工房ぐろーばる」の「和豚もちぶた」は、一般的な豚にくらべて旨味成分が2.7倍!種豚・えさ・飼育環境などにこだわり、生産から流通までを一貫する新鮮&安全なお肉です。脂身はあっさり、肉質はしっとりやわらか。ぜひ味わってみてくださいね。