豚肉のカロリーが低い部位はヒレ!6つのレシピと柔らかく仕上げる方法
「最近、カロリーが気になってきた」
「でも、豚肉が大好き!」
そんなあなたにぴったりなのが豚肉のヒレ!脂肪が少ないので、ほかの部位と比べて低カロリー。大好きな「焼く」「揚げる」メニューも、豚肉のヒレを使えばカロリーがぐっと抑えられます。
もともと、豚肉はダイエット中の人でも積極的に摂りたいタンパク質がたっぷり!疲労回復に効くビタミンB1は「宝庫」といわれるほど含まれています。
ただ、ヒレは調理をすると食感が固くなりやすいのが少し残念なところ。柔らかくなる方法やレシピを探している人も多いのではないでしょうか。
ここでは、豚肉の部位ごとのカロリーやヒレを使ったおいしいレシピをご紹介。牛肉や鶏肉と比べて、どの部位が1番低カロリーなのかもお届けします。
ヒレを柔らかく仕上げる方法もチェックして、大好きな豚肉を思いっきり味わってくださいね!
豚肉のカロリーが低い部位は「ヒレ」
豚肉のヒレは、背中にあるロースの1部分。背骨に沿うようにして奥の方にあり、1頭につきたった2%(1kg)ほどしかとれない希少な部位です。
ほかの部位と比べて高タンパク低カロリー
豚肉の中でもっともキメが細かく、脂質も1番少ないヒレ肉。ほかの部位と比較してみると、カロリーと脂質の低さ、タンパク質の多さが一目瞭然だと分かります。
エネルギー(kcal) | タンパク質(g) | 脂質(g) | |
ヒレ | 105 | 22.7 | 1.7 |
肩 | 113 | 21.4 | 3.5 |
肩ロース | 140 | 20.6 | 6.8 |
ロース | 131 | 22.9 | 4.6 |
ばら(脂身つき) | 398 | 13.4 | 40.1 |
もも | 133 | 21.9 | 5.3 |
※100gあたり(中型種肉/赤肉/生)
タンパク質は三大栄養素の1つで、筋肉・臓器・皮膚・毛髪などを構成する成分。体内では作れない必須アミノ酸が含まれており、人間の身体を動かすのに必要なエネルギーの源です。
脂質も三大栄養素の1つで、体内では作れない必須脂肪酸が含まれています。ただ、もっともエネルギーが高く摂りすぎには注意が必要。1日の必要な摂取カロリーのうち、男女1歳から「20~30%」までが目安だとされています。
※参照元:日本人の食事摂取基準(2025年版)|厚生労働省(2024年11月時点)
カロリーは脂質の含有量が部位ごとに違うから
なぜ、豚肉の部位ごとにカロリーが違うのでしょうか?その理由は、含まれる脂質の量が違うから。上記の表をもとに、折れ線グラフで見てみましょう。
※参照元:日本食品標準成分表(八訂)増補2023年(2024年11月時点)をもとに作成
脂身つきの豚バラは脂質もカロリーもダントツで高く、ヒレはもっとも低いことがわかりますね。
脂質は、タンパク質や糖質よりもエネルギーが高いので、豚肉全体のカロリーに大きく影響する栄養素。脂質が低いヒレを食べれば、バラをはじめとするほかの部位よりも摂取カロリーが抑えられます。
豚肉・牛肉・鶏肉を比較してみよう
豚肉のヒレはどれくらい低カロリーなのかを知るために、牛肉や鶏肉の栄養成分とも比べてみましょう!
牛肉の栄養成分
| エネルギー(kcal) | タンパク質(g) | 脂質(g) |
ヒレ | 177 | 20.8 | 11.2 |
肩 | 138 | 20.4 | 6.7 |
肩ロース | 196 | 19.1 | 13.9 |
リブロース | 230 | 18.8 | 17.8 |
サーロイン | 167 | 21.1 | 9.1 |
ばら(脂身つき) | 381 | 12.8 | 39.4 |
もも | 130 | 21.9 | 4.9 |
そともも | 131 | 21.3 | 5.0 |
ランプ | 142 | 22.0 | 6.1 |
※100gあたり(乳用飼育牛肉/赤肉/生)
牛肉では、ヒレよりも肩やももあたりのカロリーが低め。タンパク質は全体的に豚肉より多く、赤身を選んで脂を落とす調理法をすればカロリーを抑えながら筋肉をつける食事が可能です。
鶏肉の栄養成分
| エネルギー(kcal) | タンパク質(g) | 脂質(g) |
ささみ | 98 | 23.9 | 0.8 |
むね(皮なし) | 105 | 23.3 | 1.9 |
もも(皮なし) | 113 | 19.0 | 5.0 |
手羽さき(皮つき) | 207 | 17.4 | 16.2 |
手羽もと(皮つき) | 175 | 18.2 | 12.8 |
※100gあたり(若どり/生)
鶏肉でもっともカロリーが低い部位は「ささみ」ですが、なんとタンパク質の量は1番!高タンパク低カロリーの代表的な存在だと言えるでしょう。全体で見ても、豚肉や牛肉よりカロリーが低めなのが魅力的。カロリーを抑えるなら「皮なし」がベストです。
高タンパク低カロリーの部位ランキング
豚肉・牛肉・鶏肉の栄養成分を見た結果、豚肉のヒレのカロリーやタンパク質はどれくらい優れているのかを見てみましょう!
| エネルギー(kcal) | タンパク質(g) | 脂質(g) | |
1位 | 鶏肉 ささみ | 98 | 23.9 | 0.8 |
2位 | 鶏肉 むね (皮なし) | 105 | 23.3 | 1.9 |
3位 | 豚肉 ヒレ | 105 | 22.7 | 1.7 |
4位 | 豚肉 肩 | 113 | 21.4 | 3.5 |
5位 | 鶏肉 もも (皮なし) | 113 | 19.0 | 5.0 |
6位 | 豚肉 ロース | 131 | 22.9 | 4.6 |
7位 | 牛肉 そともも | 131 | 21.3 | 5.0 |
8位 | 豚肉 もも | 133 | 21.9 | 5.3 |
9位 | 牛肉 肩 | 138 | 20.4 | 6.7 |
10位 | 豚肉 肩ロース | 140 | 20.6 | 6.8 |
高タンパク低カロリーのTOP10のうち、豚肉がランクインしたのは5つ!1位ではありませんが、半分を占める優秀さがわかりますね。
豚肉のヒレに最適な調理方法とおいしいレシピ6選
豚肉のヒレは、カロリーを抑えたダイエット食にはもちろん、油を使う揚げ物や焼き物の食材としてもぴったり!低カロリーな分、調理油をたくさん使いがちなレシピでもたくさん食べられます。
味わいも、ほかの部位を使ったメニューと比べて脂っぽさが少なくあっさり!例えば、カツ・ソテー・ステーキなどで味の濃いタレや調味料を使っても、カロリーを抑えながらおいしく食べられます。
レシピを決めたいときは、
「〇〇焼き」「〇〇炒め」「〇〇揚げ」
とメニュー名に書かれているものを探してみてくださいね。
ここで紹介する調理時間はどれも25分以内。フライパンで簡単に作れるレシピを6つご紹介します。お昼の丼ぶりに、夜ごはんのおかずに、お弁当にも使えるものを集めました。あなたが作るときに、ぜひ活用してください。
豚肉のヒレを焼くレシピ3選
豚ヒレ肉の生姜焼き
※調理時間|25分
ロースを使う一般的な生姜焼きと比べてあっさりと食べられるメニュー。食欲をそそる生姜の香りと甘辛いタレで、たっぷりの満足感が味わえます。
【材料】
豚ヒレ肉 | 200g |
キャベツ・付け合わせの野菜 | お好み |
サラダ油 | 適量 |
小麦粉 | 適量 |
(タレ) | |
酒 | 大さじ1 |
しょうゆ | 大さじ1と1/2 |
みりん | 大さじ1/2 |
生姜 | 1片 |
- 豚ヒレ肉を2cm幅に切り、めん棒で叩いて半分の厚さまで伸ばす
- 生姜をすりおろし、タレの材料を混ぜ合わせる
- 2に肉を入れ、10分ほど漬ける
- タレにつけた肉に小麦粉を軽くまぶし、余分な粉を落としておく
- フライパンを熱してサラダ油を入れ、4を入れて中火で焼いていく
- 火が通ったら肉を裏返し、もう片面も焼いていく
- 火が通ったら1度肉をフライパンから取り出し、同じフライパンで3の漬けダレを入れる
- 煮詰まってきたら肉をフライパンに戻し、よくからめる
- 火を止め、付け合わせ野菜を添えたお皿に盛りつけて完成
豚ヒレ肉の夏野菜ソテー
※調理時間|25分
夏野菜を使った彩り豊かなソテー。トマトダレを使うことで、すっきりとした酸味で爽やかなおいしさに仕上がります。オリーブオイルや粉チーズをかけると洋風に!
【材料】(2人分)
豚ヒレ肉 | 200g |
エリンギ | 大2本 |
ズッキーニ(緑・黄) | 各1/2 |
トマト | 2個 |
塩こしょう | 適量 |
オリーブオイル | 適量 |
小麦粉 | 適量 |
(トマトダレ) | |
酢 | 大さじ1 |
塩 | 小さじ1/2 |
- エリンギ、ズッキーニを一口大に切る
- トマトを粗めのみじん切りにし、酢と塩を入れてよく混ぜ、冷蔵庫で冷やす
- 豚ヒレ肉を1cmほどの厚さに切り、塩こしょうを振って小麦粉をまぶす
- フライパンにオリーブオイルを入れて中火に熱し、エリンギとズッキーニを焼く
- 全体に焼き色がついたらお皿に取り出し、塩こしょうをふる
- 続けてフライパンにオリーブオイルを足し、まずは中火で3分豚ヒレ肉を焼く
- 裏返して弱火にし、2分ほど焼く
- 焼き上がったらそれぞれをお皿に盛りつけ、作っておいたトマトダレをかけて完成
ヒレ肉のポークピカタ
※調理時間|20分
必須アミノ酸が多い「鶏卵」「チーズ」を使い、かりっとふんわり仕上げられるポークピカタ。添え野菜には、同じく必須アミノ酸が多い「じゃがいも」「キャベツ」「トマト」などを選ぶのがおすすめです。
【材料】(4人分)
豚ヒレ肉 | 8枚(1枚あたり50g) |
卵 | 2個 |
粉チーズ | 大さじ4 |
パセリ | 大さじ1 |
おろしニンニク | 適量 |
小麦粉 | 少々 |
エリンギ | 4本 |
添え野菜 | お好み |
塩・こしょう | 少々 |
オリーブオイル | 大さじ4 |
- ヒレ肉を包丁の背で軽く叩き、繊維が柔らかくなるように平たくさせる
- ボウルにヒレ肉を入れ、塩・こしょうをふって軽くもみ込み、小麦粉をまぶす
- 卵・粉チーズ・パセリ・おろしニンニクを肉の入ったボウルに入れ、混ぜ合わせる
- フライパンにオリーブオイルを入れ、たっぷりと衣をつけた肉を入れて焼く
- 別のフライパンでエリンギを炒め、塩・こしょうで味を整える
- 焼き上がった肉とエリンギをお皿に盛り付け、野菜を添えて完成
豚肉のヒレを揚げるレシピ3選
豚ヒレ肉のこんがり竜田揚げ丼
※調理時間|25分
肉で叩くことで適度に繊維がほぐれ、柔らかい仕上がりに。ナンプラーや甘酢などを使うタレとヒレ肉の味わいの層がとてもおいしい本格竜田揚げです。
【材料】
豚ヒレ肉 | 180g |
ベビーリーフ | 適量 |
ミニトマト | 3個 |
レモン | 1/8個 |
片栗粉 | 大さじ2と1/2 |
(下味) | |
酒 | 大さじ1/2 |
みりん | 大さじ1/2 |
ナンプラー | 大さじ1 |
こしょう | 適量 |
(タレ) | |
甘酢 | 大さじ1 |
サラダ油 | 小さじ1 |
ナンプラー | 大さじ1 |
薄口しょうゆ | 大さじ1/2 |
- 豚ヒレ肉を1.5cmほどの厚さに切り、ラップに包んでめん棒などで軽く叩く
- ボウルに下味用の材料をすべて入れて混ぜ、叩いた肉を入れてよくからめる
- 時々返しながら、10分ほど漬ける
- ベビーリーフは水洗いし、ミニトマトは半分に、レモンはくし切りにする
- 3の汁気をふき取り、片栗粉を薄くまぶしたら170℃に熱した揚げ油に入れて揚げる
- 揚がったら取り出して油を切っておく
- 丼にごはんをよそい、ベビーリーフとミニトマトを敷く
- 肉を上に乗せ、タレをかけて完成
- お好みでレモンを絞ってもOK
ソースヒレカツ丼
※調理時間|20分
あっさりした味わいのヒレ肉と、少し甘めの味付けが相性抜群。しっかり味に負けないほどの旨みがある豚肉を使うのがおいしく仕上げるポイントです。
【材料】(2人分)
豚ヒレ肉 | 一口カツ用250g |
キャベツ(千切り) | 適量 |
ご飯 | 2杯分 |
小麦粉 | 適量 |
溶き卵 | 1個 |
パン粉 | 適量 |
揚げ油 | 適量 |
塩こしょう | 適量 |
(タレ) | |
ウスターソース | 大さじ5 |
ケチャップ | 大さじ5 |
砂糖 | 大さじ1 |
(揚げ物) | |
小麦粉 | 適量 |
溶き卵 | 1個 |
パン粉 | 適量 |
揚げ油 | 適量 |
- ヒレ肉に塩こしょうを振る
- 両面に小麦粉をまぶし、溶き卵・パン粉をつけてなじませる
- 170℃に熱した油で揚げ、「チリチリ」という高い音が聞こえるまで待つ
- キッチンペーパーにあげ、余計な油を落としておく
- たれの材料を鍋にかけてよく混ぜ、温まったらカツを入れて絡ませる
- ご飯の上に千切りキャベツを敷き、味付けたカツをのせて完成
ミラノ風カツレツ フレッシュトマトソース添え
※調理時間|25分
チーズを混ぜた衣が香り豊かなカツレツ。肉を叩いて薄くすることで柔らかく仕上がります。
【材料】(4人分)
豚ヒレ肉 | 400g |
パン粉 | 適量 |
粉チーズ | 30g |
ベビーリーフ | 適量 |
じゃがいも | 2個 |
レモン | 1/2個 |
薄力粉 | 適量 |
卵 | 1個 |
バター | 30g |
(ソース) | |
トマト | 2個 |
バジルの葉 | 適量 |
にんにく | 1/2片 |
塩こしょう | 適量 |
EXVオリーブオイル | 大さじ2 |
- パン粉をフードプロセッサーに軽くかけて細挽きにする
- チーズを加えて混ぜ合わせる
- じゃがいもを茹でておく
- にんにくをみじん切りに、トマトを角切りに、バジルを手でちぎる
- 肉を100gずつに切り分け、切り口を上にしてラップをのせ、肉叩きで約3~4倍の大きさに叩き伸ばす
- 肉の片面に塩こしょうをふる
- 薄力粉・溶き卵・チーズ入りのパン粉の順に衣をつける
- フライパンにオリーブオイル・バターを熱し、静かに7を入れて揚げ焼きにする
- 両面きつね色になったら取り出し、キッチンペーパーの上に置いて余分な油を切り皿に盛りつける
- ボウルにソースの材料を入れてよく混ぜ合わせ、フレッシュトマトソースを作る
- カツレツの上にかけ、ベビーリーフ・茹でたじゃがいも・カットレモンを添えて完成
豚肉のヒレを柔らかく仕上げる方法
食感の固さが苦手な人は、どんなに味付けにこだわってもあまりおいしく食べられませんよね。
豚ヒレ肉を柔らかくするには、以下の2つにご注目!
- 下ごしらえ
- 調理
それぞれ詳しく紹介します。
加熱しやすいように下ごしらえをする
豚肉のヒレを加熱する前に、ひと手間をかけましょう!
主なポイントはこちら。
- お肉を叩いて筋切りをする
- 小麦粉や片栗粉をまぶす
- 急激な温度差を避ける
- 加熱前に漬け込む
豚ヒレが固くなるのは「筋繊維をほぐしていない」のが理由の1つ。もともと、水分を保つ力が弱く、ぎゅっと凝縮された筋繊維が多め。歯ごたえは十分に楽しめますが、筋繊維やタンパク質が高温加熱により収縮し肉汁(水分)が蒸発して乾燥してしまいます。
そこで、筋繊維を断ち切って乾燥しないように小麦粉や片栗粉をまぶすのがベスト!冷蔵庫から取り出してすぐに加熱するのもNG。炭酸飲料やすりおろした玉ねぎなどの材料に漬け込みつつ、しばらく放置して常温に戻しましょう。
おいしい成分が失われないように調理する
調理中も、おいしい成分が熱によって失われないように要注意!
主なポイントはこちら。
- 65℃を超えないように加熱する
- 65℃以上の長時間の加熱は避ける
豚ヒレが固くなるのは「65℃以上の高温加熱でタンパク質が収縮している」「65℃以上の長時間の高温加熱で肉汁が逃げている」という理由も。特に、しっかりと火を通したい揚げ物の高温調理では、きちんと常温に戻すのがおすすめです。
しっかりと下ごしらえをしておけば、加熱中は温度と時間に気をつけるだけ。温度計やタイマーがあると便利です。何も手を加えないより、柔らかい食感の豚ヒレメニューが味わえますよ。
あなたの自慢料理を見つけよう!
豚肉のヒレを使う、おいしそうなレシピは見つかりましたか?
実は、高タンパク低カロリーでダイエット向けの部位。鶏肉のささみとむね(皮なし)に次ぐ、優秀なお肉です!あなたの好きな揚げ物や焼き物も、ヒレを選ぶとカロリーが抑えられますよ。
おいしく柔らかく仕上げるには、お肉の叩きすぎ・漬け込み材料と味つけのバランスの失敗・加熱のしすぎなどに要注意。心配事をなくすなら、お肉の商品や説明欄に「柔らかい」「ジューシー」などの言葉があるものをチョイスしましょう!