豚肉の臭いをどうにかしたい!原因&臭み取りの対処法(調理・保存・選び方)をご紹介
生の豚肉をトレーから出すときに「あれ?臭いかも?」と感じた経験はありませんか?スーパーで気軽に買える身近なお肉ですが、実は、選び方や保存の仕方などを少し失敗すると嫌な臭いが出て不快に感じてしまいます。
いろいろな臭いの原因がありますが、中には食べると体調を崩してしまうことも。でも、せっかく買った豚肉。おいしく味わってきちんと消費したいですよね。
そこで、
「豚肉の臭いはなぜするの?」
「おいしく食べる方法は?」
と気になるあなたへ、原因と臭み取りの対処方法を「調理編」「保存&購入編」の2つに分けてご紹介!元々の豚肉からする臭いを和らげるレシピもお届けします。この記事を読んで、豚肉の嫌な臭いとおさらばしましょう!
豚肉の臭いがする原因
傷んでいる、腐敗臭
1つ目の原因は、加工のときから調理をするまでに鮮度が落ちて傷んでしまったこと。
ただ単にお肉に血が通わなくなったからだけじゃなく、
- 加工時に使われる調理器具から雑菌が付着し、空気に触れて増殖した
- お肉の温度が変わった
なども影響しています。
豚肉はほかのお肉より雑菌が発生しやすいといわれており、劣化が進むとやがて「腐敗臭」が発生します。このレベルまでくると、腹痛・下痢・嘔吐・発熱などで体調を崩すおそれがあるので要注意。残念ながら、廃棄してしまうのがベストです。
腐っているかどうかの目安は以下のとおり。
- 硫黄臭、アンモニア臭、酸っぱい臭いがする
- 触ったり切ったりすると糸を引く
- 色が灰色や緑色に変わっている
- 気持ち悪い味がする
また、傷みやすい順番は以下のとおりです。
ひき肉>薄切り>小間切れ>厚切り>ブロック
豚肉そのものの臭い
2つ目の原因は、豚そのものに臭いがあること。
- 先祖返りをした豚
- 去勢不備の雄豚
- 輸入豚
- 臭いが強く出やすい飼料を食べている
これらの豚肉には独特の獣臭がしやすくなります。
豚はイノシシを品種改良して作りだした動物なので、「先祖返り」がまれに起きてイノシシ独特の獣臭が発生。また、獣臭が強い雄豚はきちんと去勢できれば肉質が柔らかくなり臭いも和らぎますが、不十分だと残ってしまいます。
養豚場で与える飼料にも臭いとのつながりがあり、豚はなんでも食べるからといって臭みの出やすいものを与えると、性別関係なく臭みを発する場合があります。
冷蔵庫や冷凍庫の匂い
3つ目の原因は、豚肉そのものではなく、保存場所である冷蔵庫や冷凍庫の匂いが移ってしまうこと。
庫内は、さまざまな食品からの匂いが混じり合って浮遊しています。また、調味料や食材などの水分が庫内に付着してカビ・雑菌の嫌な臭いが発生している可能性も。特に、長期間置いておくと移りやすくなります。
臭み取りの対処法~調理編~
豚肉は、腐っていなければ食べてもOK!臭みが気になるときの消し方をご紹介しますね。
ドリップをふき取る
豚肉が空気に触れることで出てくる液体の「ドリップ」。雑菌が繁殖しやすく、傷みの原因になるのでキレイにふき取りましょう。
手順は以下のとおり。トレーから直接捨てるだけじゃなく、豚肉内部にあるドリップも抜き取るのがポイントです。
- 皿またはバットに並べる
- 塩をひとつまみ振りかける
- 5分ほど放置する
- ドリップをキッチンペーパーでふき取る
ドリップは時間が経つにつれて量が多くなるので、新鮮な豚肉を選ぶときの目安にもなりますよ。
臭みを取る食材に漬け込む
ほかの食材が持つ性質を利用する方法。一定時間、豚肉を漬け込みましょう。
主に以下の4つが有効です。
重曹
もっとも効果的だといわれるのが「重曹」。手順は以下のとおりです。
- 重曹小さじ1に対して、水400ml・塩小さじ1の重曹水を作る
- ビニール袋などに豚肉と1を入れて数時間漬け込む
- 豚肉を水で洗い、キッチンペーパーで水分をふき取る
ブロック肉や厚切り肉は、フォークや竹串などで穴を開けておくのがおすすめ。重曹水が中まで浸透し、より効果的に臭みが消えます。重曹は、必ず食用タイプを使用してくださいね。
牛乳
牛乳に含まれるたんぱく質が、豚肉の臭いの成分とくっついて分解してくれます。
手順はこちら。
- ボウルやビニール袋などに豚肉を入れ、全体が浸るまで牛乳を入れる
- 半日~1日ほど漬け込む
- 牛乳を水で洗い流し、豚肉の水分をキッチンペーパーでふき取る
スライス肉など、薄めのお肉は半日ほど。ブロック肉などの厚めのお肉は1日かけてじっくり漬け込むのがポイントです。
ヨーグルト
ヨーグルトにも、牛乳と同じような効果があります。
手順はこちら。
- ボウルやビニール袋などに豚肉を入れ、全体が隠れる量のヨーグルトを入れる
- 半日~1日ほど漬け込む
- 牛乳を水で洗い流し、豚肉の水分をキッチンペーパーでふき取る
こちらも、お肉が厚いほど時間をたっぷりとかけて漬け込みましょう。ヨーグルトは、吸着効果が高いので牛乳よりも効果的。また、乳酸の効果で豚肉を柔らかくしたり味をまろやかにしたりもできます。
すりおろし生姜
生姜の辛みの元である成分「ジンゲロール・ショウガオール」には強い殺菌力があり、お肉のタンパク質とくっついて臭みを消してくれます。さらに、香りの成分「シネオール」で豚肉の臭みがカバーできます。
手順はこちら。
- ボウルやビニール袋などに豚肉を入れ、すりおろし生姜を汁ごと入れる
- 半日~1日ほど漬け込む
- 牛乳を水で洗い流し、豚肉の水分をキッチンペーパーでふき取る
お肉の厚みで漬け込む時間を調整し、生の生姜でしぼり汁もまとめて漬け込むのがポイント。チューブタイプはおろす手間がないのでラクですが、香料・食塩などの生姜以外の原材料が使われており、量が多くなるので不向きです。
料理酒
お酒の消炎作用を利用して、アルコールが蒸発するときに豚肉の臭みも飛ばす方法。手順は以下のとおりです。
- ボウルやビニール袋などに豚肉を入れ、全体が浸るまで料理酒を入れる
- 6時間~半日ほど漬け込む
- そのまま調理する
お酒の香りが苦手な場合は、漬け込む時間を短めにするか同じ効果のある日本酒・赤ワイン・白ワインを使いましょう。また、仕上がりの風味が変わるので、和食には料理酒、洋食には赤ワイン・白ワインが向いています。
スパイス・香辛料を使う
あまり匂いが気にならないときは、スパイスの香りでカバー。調理方法に合わせて、以下のように使い分けると効果的です。
煮込み | 八角・山椒・五香粉 |
---|---|
揚げる | ナツメグ、クローブ |
焼く、炒める | セイジ・キャラウェ |
スパイスや香辛料に限らず、香りの強い「ねぎ・にんにく・にら・玉ねぎ・生姜」などの食品と組み合わせるのもおすすめです。
酢を加える
酢に含まれる強い消臭効果も、豚肉の臭み取りに有効です。方法は、調理の際に加えるだけでOK。仕上がりの風味を変えてしまうイメージですが、熱を通すことで酸味がほとんどなくなるので心配ありません。
湯通しする
臭み取りのためにわざわざ材料を用意したり、漬け込む時間がなかったり面倒だったりするときは湯通しを。余分な臭いが含まれている「灰汁」を取り除いで臭みを消す方法です。
手順はこちら。
- 鍋に水を入れて沸騰させる
- 豚肉を入れて数分間茹でる
ねぎや生姜も一緒に加えるとさらに効果的。豚肉に火が通るので、焼く・炒める・揚げるよりも煮込む料理に向いています。
臭み取りの対処法~保存&購入編~
嫌な臭いすら嗅ぎたくない!
そんなときに役立つ取り扱い方・選び方をご紹介しますね。
正しい方法で冷蔵・冷凍保存する
豚肉の購入後は、調理のタイミングまで冷蔵庫や冷凍庫へ入れて保存するのが基本。ただし、ほかの食品などが入ってきたり開け閉めしたりすることで、庫内の温度が変わると傷みが進んでしまいます。
正しい保存方法は以下のとおり。
- 水分(ドリップ)をふき取る
- 空気に触れないように密封する
手の雑菌が付着するため、なるべく素手で直接触らないように。ぴったりフィットで、粉がついていないビニール手袋がおすすめです。
500gなどの量で大きなパックに包まれている場合は、購入後すぐに小分けして1回分ずつラップに包むのがおすすめ。空気をしっかりと抜き、冷凍庫で保存するとより鮮度が長持ちします。
消費期限を守る
豚肉の購入後は、なるべく早めに食べることも大切!傷み具合は実物を見て判断するのがベストですが、「消費期限」も目安の1つになります。
冷凍すれば1ヶ月ほど期限が延びるといわれていますが、おいしく食べるには消費期限から10日前後がベスト。
冷蔵庫で保存している場合は、以下のような方法で入れっぱなしにならないように注意しましょう。
- 見切り品を容易に買わない
- 買う前に少し献立を考える
- 冷蔵庫内の整理整頓をする
- 冷蔵庫管理アプリを活用する
お肉を変える
いつも買う豚肉から、獣臭が強くない豚肉に変えるのもおすすめです。
養豚場でこだわりを持って大切に育てられた豚は、臭みに対してもきちんと対策されているタイプが多め。見た目では判断しにくいので、通販サイトなどで紹介されている内容やほかの人のレビューを参考にすると良いでしょう。
- 臭みがない
- 風味が良い
- 新鮮
という言葉があれば安心です。
臭みがない!美味しい豚肉「瀬戸のもち豚せと姫」
臭みがないことで人気の豚肉は「もちぶた」。そのうち「瀬戸のもち豚せと姫」は、肉質・旨味・甘味にこだわって厳選されたメス豚だけを使用。豚が自由に走り回れる広い牧場で飼育し、デリケートな豚にストレスを与えず美味しい肉質を作り出しています。
ほんのりサクラ色のキレイな赤身とやわらかい肉質に仕上がったせと姫は、新鮮でより安全に配送するため真空冷凍で出荷。自宅までクール便で届くので、すぐに冷蔵庫や冷凍庫で保存できます。
お店へ行って帰るまでに傷んでしまう心配がないのでとても便利ですよ。
豚肉の臭みが消せるおすすめレシピ3選
豚肉特有の臭みに効果的なレシピをご紹介します。ぜひ試してみてくださいね!
豚ロースで作る、土用の丑の日かば焼き丼
※調理時間|45分
タレのうなぎ独特の旨みと香りで豚肉の臭みをカバー。タレの良さが100%引き出せるのでおいしさ抜群です。
材料(2人分)
豚ロース | 2枚 |
ごはん | 適量 |
うなぎのタレ(市販) | 100ml |
酒 | 30cc |
山椒 | お好み |
作り方
- お肉にフォークや包丁で軽く切れ目を入れ、味を浸み込みやすくする
- うなぎのタレ半分とお酒をジッパー袋に入れて混ぜ、お肉を入れて30分ほど漬け込む
- フライパンまたは焼き網で、弱火で豚肉で焼く
- 残りのタレをつけながら焼き、肉に火が通ったらまな板の上に取り出して食べやすい大きさに切る
- お好みで山椒を振って完成
ロース生姜焼き
※調理時間|10分
おろし生姜が豚肉の臭み取りに。生姜の良い香りと、柔らかくてジューシーな食感が楽しめます。
材料(2人分)
ロース | 300g |
(タレ用調味料) | |
おろし生姜 | 50g |
砂糖 | 50g |
酒 | 小さじ1 |
しょうゆ | 大さじ2 |
みりん | 大さじ2 |
作り方
- タレ用調味料を混ぜておく
- フライパンを火にかけ、弱火~中火で片面を1分半~2分ほど焼く
- 焼いている面に焼き目が付いたら裏返し、さらに1分ほど焼く
- 両面に軽く火が通ったら、1をフライパンに回し入れて肉によくからめる
- 軽く煮詰めてタレの量を調整し、少しとろみがついたらお皿に盛りつける
- フライパンに残ったタレをお肉にかけて完成
韓国風ゆで豚 ポッサム
※調理時間|2時間
臭み消しと下味付けが、茹で汁の中で同時に行えるメニュー。しつこくない脂の旨みもたっぷり味わえます。
材料(2~3人分)
バラブロック | 500g |
ねぎ(青い部分) | 1本分 |
玉ねぎ | 1/2個 |
生姜(皮つき) | 1片 |
にんにく | 2片 |
キムチ | 適量 |
サンチュ(またはサニーレタス) | 適量 |
味噌 | 大さじ1 |
酒 | 大さじ4 |
塩 | 小さじ1 |
コチュジャン | 適量 |
作り方
- お肉・ねぎ・玉ねぎ・生姜・にんにく・味噌・酒・塩を鍋に入れる
- 全体にかぶるくらいの水を入れ、弱火~中火にかける
- 10分に1回ほど灰汁をすくい、お湯が減ったら落し蓋をしてトータル40~50分ほど煮る。
- 茹であがったら火を止め、そのまま冷めるまで待つ
- 全体が冷めたら肉を取り出し、7~8mmほどの厚さに切ってお皿に盛りつけ
- 別皿にキムチ・コチュジャンを添え、サンチュなどを巻いて完成
臭いのしない豚肉がやみつきに!
豚肉は、腐っている臭いがしなければ食べてもOK!今回ご紹介した臭み取りの対処法を上手に活用して、おいしく味わってくださいね。
「”うっ”と感じる前になんとかしたい!」
そんなときは、以下のような言葉が商品名や商品説明欄に記載された豚肉がおすすめ。
- 臭みがない
- 風味が良い
- 新鮮
新鮮で傷みにくく、臭み取り不要でおいしい豚肉料理が楽しめますよ。